Story of hemp
麻とひとくくりに言っても産地も様々、異なる種類の植物の茎を利用する繊維で長く、しなやかな糸を紡ぐことができ、
衣類や寝具などの肌に触れる製品を作るのに適しているのは、亜麻(リネン)苧麻(ラミー)大麻(ヘンプ)の三つです。
日本で衣料品の品質表示で「麻」と表示できるのは、リネンとラミー。ヘンプは、指定外繊維という分類になります。
《三つの麻素材の特徴》
吸水性が良い・吸湿性が良い・発散性が良い・防虫性・防カビ性に優れているのが特徴です。
お洗濯にも強く、短時間でパリッと乾くので、衣服を清潔に保つことができます。
繰り返し洗うごとに柔らかさが増し、着れば着るほど段々と優しく心地よい肌触りへと変化していきます。
また、素早く熱を発散するので、清涼感ある肌触りを実感でき、高温多湿の日本の夏には適した素材であることは言うまでもありません。
更に、繊維の中に空気が多く含まれ、天然のサーモスタットのような役目を果たす為、寒い季節にも暖かく包み込んでくれます。
オリジナルブランドLinではデザインに適した魅力的な麻素材を取り入れています。
【ヘンプ(大麻)について】
大麻とは、桑科の1年生で、日本で麻といえば古くは大麻(ヘンプ)のことです。日本の文化ともつながりが深く明治時代までは、
麻と言えば大麻(ヘンプ)や苧麻(ラミー)を指しました。
私たちが「麻」と呼んでいる繊維の中でもとくに柔らかく肌触りが良いのに丈夫で長持ち。
吸水、吸湿性、発散性、抗菌性がリネンやラミーよりも優れていて、紫外線防止指数も高いといわれています。
農薬や化学肥料を使用しなくても元気に育つヘンプは、環境への負担が少ないエシカルな素材として注目されており、
オーガニックコットンと同様に安心して身に付けることが出来る素材として人気です。
また、昔から麻の生命力にあやかり赤ちゃんがすくすく育つように麻の葉模様の産着を着せたり、
魔除け、商売繁盛、幸せを呼ぶお守り等としても親しまれています。
【ラミー(苧麻)について】
ラミーはイラクサ科の多年生の草木類です。日本やアジア諸国で昔から伝統的な織物で作る衣類や漁で使う網、紙等に使われていた麻です。
ラミーで作られている小千谷縮(おぢやちぢみ)や近江上布、宮古上布、八重山上布は伝統工芸品として指定されています。
長く、太く、丈夫で、麻らしいシャリ感を持つ生地です。繊維は毛羽感があり、自然な光沢感も持ち表情が繊細なので、
見た目はリネン比べると高級感があります。
【リネン(亜麻)について】
亜麻は亜麻科の一年生で、その植物の靱皮から採った繊維をフラックスといい、フラックスで作った糸や布をリネンといいます。
フランス語ではラン(Lin)、イタリア語ではリノ(Lino)、ドイツ語ではライネン(Leinen)といいます。
ヨーロッパでは、昔から上流階級を中心に高級繊維としてリネンが寝具やタオル類、インナー製品に使われました。
リネンの繊維は光沢が少なくマットな感じで、生地の表面にはネップとフシがあるのが特徴でもあります。